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COLUMN

コラム

オフィスにおけるコロナ対策!長期化を見据え無理なく継続しよう

消毒液やパーティションの設置など、オフィスのコロナ対策にはコストがかかります。しかし従業員や顧客の安全を確保するためにも継続していかなければなりません。オフィスにおけるコロナ対策を効果的、かつ長期的に行うポイントを紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大が収束する兆(きざ)しはなかなか見られません。感染拡大を防ぐ対策(以降、コロナ対策)は長期的に行っていかざるをえないと考えたほうがよさそうです。ウィズコロナ時代において、企業のコロナ対策は従業員の安全を守るためだけでなく、企業価値を高めるためにも必要です。長期的にコロナ対策を行うならば、オフィスのあり方を再考する必要もあるかもしれません。従来のコロナ対策を振り返るとともに、コロナ対策を長く行うためのポイントも見ていきましょう。

新型コロナウイルスがきっかけで起こった変化

働き方の変化

新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけで、オフィス環境は大きく変わりました。「密集」「密接」を避けるためのオフィスレイアウトに変更、飛沫防止のためのパーティションの設置、定期的な消毒や換気の実施など、感染防止を意識した対策がとられています。

オフィス環境のみならず、時差通勤やテレワークといった、働き方の変化もみられます。

働き方の変化は、働き方改革を実現する有効な手段として、以前から一部の企業で取り入れられていましたが、コロナ禍をきっかけに急速に浸透しました。

意識の変化

コロナ禍を機に、働き手の仕事への意識も変わりました。

株式会社キッズラインの「新型コロナウイルスによる働き方・ライフスタイルの変化に関する意識調査」によると、2020年4月に発令された緊急事態宣言の実施期間前後で、85%の人が「働き方やライフスタイルの意識が変化した」と回答しています。

新しい生活様式でどのような働き方が理想と感じるかという質問に対しては、以下の働き方が上位に入りました(※複数回答)。

  • 好きな時間で働ける 61.7%

  • 場所が選べる 60.9%

  • 自分や家族との時間を大切にできる 57.8%

  • 自宅の近くで働ける 44.5%

時差通勤やテレワークなどの導入は、企業のコロナ対策として必要に迫られての実施だったかもしれません。しかし、すでに働き手には、理想的な働き方として求められていることがうかがえます。

オフィスにおける有効なコロナ対策

コロナ対策の基本は「密閉空間」「密集場所」「密接場面」のいわゆる「3密」の回避や、マスク着用・手洗いなどです。あらためて、オフィスにおける適切なコロナ対策を紹介します。

オフィス環境と体制を整えることによるコロナ対策

オフィスにおける適切なコロナ対策を、一般社団法人日本経済団体連合会が作成した「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を参考にまとめました。

  • アクリル板・透明ビニールカーテンなどの設置

  • 消毒液や石けんなどの設置

  • 定期的な換気(※窓の開放は1時間に2回以上。ただし、機械換気の場合は窓開放との併用は不要)

  • 適度な湿度の確保(※40~70%が望ましい)

  • 向かい合わせの着席を避ける

コロナ対策は経営陣が率先して進めていくことが重要です。経営陣がコロナ対策の具体的な方向性を表明することで、より実行力のある対策が行えるためです。

例えば、「向い合わせの着席を避ける」のは、一人ひとりが意識的に固定席の椅子をずらすことでも実現できます。しかし、それぞれが間隔をとりやすいように、フリーアドレス制を導入したり、オフィスレイアウトを変更したりするほうが、より実践しやすいでしょう。

経営陣によるトップダウン型の実施が望ましいのはほかにも、「社内会議のオンライン参加を推奨」「取引先との商談をオンライン化」「社内イベントの延期や規模の縮小」などがあります。

経営陣が積極的にコロナ対策に取り組むことが大切ではありますが、コロナ対策にこだわるあまり業務遂行に支障があっては意味がありません。現場の声に耳を傾けることもときには必要です。

なお、企業のコロナ対策には、従業員が濃厚接触者になった場合のフォロー体制の整備も含まれます。体調不良を訴える従業員がいたら、すぐに在宅勤務に移せるよう業務管理を行いましょう。

社内でコロナ感染者が発生した場合の対応も、あらかじめ定めておきます。次のような対応例が考えられます。

  • 感染した従業員の療養を決定

  • 感染ルートがわかれば確認

  • 濃厚接触者に該当する従業員の有無を確認し、必要に応じて在宅勤務させる

  • 感染した従業員の病状を適時確認し、復帰時期を見極める

ウイルスの変化や新たな事実の発覚により、常識が変わることも考えられます。新しい情報を常に収集する姿勢を持ち、適宜オフィス環境や体制を整えていくことが大切です。

働き方によるコロナ対策

働き方を工夫することによるコロナ対策には次のようなものがあります。

  1. 1.時差通勤

    通常の始業時間・終業時間をずらして通勤することをいいます。出社時と退社時の通勤ラッシュを避けることができます。

  2. 2.テレワーク

    ICT技術を利用して時間や場所にとらわれずに働く働き方です。サテライトオフィスでのテレワーク(サテライト勤務)や移動時や出先でのテレワーク(モバイル勤務)もありますが、コロナ対策としてのテレワークは、おもに自宅での在宅勤務になります。テレワーク導入により、通勤時のラッシュを回避でき、従来のオフィスの人口密度を減らすこともできます。

  3. 3.その他

    従業員が交代で出勤するローテーション勤務や、出勤の必要性に応じて勤務時間を調整する変形労働時間制、休日を増やす週休3日制など、業務の実情や従業員の属性などに応じた働き方があります。

    なお、働き方によるコロナ対策は、業務の内容や従業員の働きやすさに即して考えなければなりません。

    在宅勤務を歓迎する人がいる一方で、自宅では仕事がスムーズにできないという人もいるかもしれません。部署や業務によって働き方に差が出ることで、従業員に不公平感が生じる懸念もあります。

    働き方によるコロナ対策では、従業員のヒアリングやフォローを十分に行うことが大切です。

コロナ対策を長期的に行うためのポイント

適切なコロナ対策を長期的に継続するには、コストを抑えることと、対策についてのとらえ方がポイントになります。

コスト削減

仕切り版や消毒液の購入や保持など、長期にわたるコロナ対策には一定のコストが生じます。コロナ対策にかかるコストは必要経費として許容されるべきではありますが、コストが拡大して経営がおびやかされることは避けなければいけません。

次のように状況に合わせて無駄を省く工夫をして、賢くコスト削減していきましょう。

  • テレワーク導入時

    交通費を定期券購入ではなく、実費精算に移行することで経費の圧縮が可能です。オフィスへの出社人数が減るため利用頻度が低くなるウォーターサーバーの廃止や、食堂の閉鎖なども有効でしょう。

  • オンライン会議の活用

    会議をオンライン化することによって、出張費用の軽減や資料のペーパーレス化によるコスト削減が実現できます。

  • 週休3日制など働き方の変化

    従業員の希望に応じて週休3日制を導入した場合、勤務時間に応じた正当な範囲であれば給与額を抑えることが可能です。週休3日制導入と同時に副業可能とすれば、従業員のスキルアップにもつながるかもしれません。

コロナ対策のとらえ方

コロナ対策を企業に課せられた義務ととらえると、重責を感じるかもしれません。しかしコロナ対策は、企業価値を高めるものでもあります。工夫して実施すれば、結果的に全体のコスト削減にもつなげられると考えれば、気持ち良く取り組めるのではないでしょうか。

経営陣が前向きにコロナ対策に取り組んでいる姿を見せれば、コロナ禍で気持ちが沈みがちな従業員の労働意欲にも良い刺激が与えられるでしょう。積極的な姿勢を共有することも、長期的にコロナ対策を継続するうえでの大切なポイントです。

長期のコロナ対策を考えるなら、オフィスのあり方も再考しよう

テレワークや週休3日制などのコロナ対策を実行するなかで、オフィス需要と実態のミスマッチを感じている企業も多いかもしれません。その場合は、オフィスのあり方を見直してみましょう。

現状に合わせてオフィスのあり方を考えよう

テレワークや週休3日制の導入などでオフィス出勤者が減ると、必要なオフィス面積も減少することが考えられます。よりコンパクトなオフィスが適しているなら契約面積を縮小する、移転してオフィス面積を縮小するなどを検討しましょう。

または、従来のオフィス面積を縮小したうえでサテライトオフィスを設けるといった方法も考えられます。サテライトオフィスとは、企業の本社から離れた場所に設置されたオフィスのことで、「分散勤務を促進させたい」「テレワークにおいて、自宅以外の働く場を提供したい」などのニーズに応えることが可能です。

なお、オフィス移転には移転費用と移転にともなうさまざまな作業が発生します。そのため社内で十分に検討する必要があります。

オフィス移転にかかる費用については「オフィス移転にかかる費用は?項目の内訳とコストを抑えるコツを紹介」を、必要な作業については「オフィス移転の進め方‐事前準備・当日・移転後の手続きなどを紹介」をご覧ください。

オフィスの移転先やサテライトオフィスとしてシェアオフィスの活用も選択肢に

コストを抑えてオフィス移転をするなら、シェアオフィスを活用する方法があります。シェアオフィスには厳密な定義はありませんが、複数の個人や企業などが共用するオープンスペースタイプのワークスペースを指すのが一般的です。

施設によっては個室タイプが用意されていることもあり、予算やニーズに応じてオープンスペースの利用、個室タイプの利用、両者を併用して利用することが可能です。また、オフィスに必要な機器や設備が備えられているため、初期費用を抑えられます。

従来のオフィスの移転先としてだけでなく、サテライトオフィスとして利用する可能性も考えられるため、検討をおすすめします。

分散型オフィスについて詳しくは「ウィズコロナ時代はオフィス分散化がポイント!メリット・デメリットを紹介」をご覧ください。

長期にわたって企業と従業員双方に意義のあるコロナ対策を続けるために

従業員が安心して働けるようにするためにも、企業価値を高めるためにも、コロナ対策は重要です。コロナ対策にはコストが発生しますが、工夫をすれば、結果的に全体のコスト削減へとつなげることも可能です。自社に適した方法で、企業と従業員双方に意義のあるコロナ対策をしていきましょう。