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オフィスの賃料削減!その有効性と事前準備・具体的な方法

利益を確保したいときに、固定費である賃料が削減できると経営が安定します。賃料削減といえばオフィス移転を検討するケースが多いでしょう。ここでは賃料削減の必要性や、賃料削減の前にチェックすべきこと、賃料削減の方法などをご紹介します。

企業がコスト削減をめざす際、コスト全体に対して大きな割合を占めるオフィスの賃料を削減できれば、大きな効果が見込めます。賃料削減は、コロナ禍のような非常時において経営安定化をはかるにも有効です。

オフィス賃料を削減する方法で代表的なのは、「オフィス移転」でしょう。

ここでは、オフィス賃料の削減で得られるメリット、削減前にチェックすべきことを解説したうえで、オフィス移転のメリットとリスクおよびシェアオフィスの活用法を紹介します。

オフィス賃料削減のメリット

オフィス賃料の削減には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

総務省が実施した「企業の管理活動等に関する実態調査(平成27年(2015年)産業連関構造調査)」によると、94項目ある「販売費及び一般管理費」の内訳のなかで、「不動産賃貸料」が占める割合は約4.5%でした。94項目中5番目に多い割合です。つまり、オフィス賃料の削減をすることで、大きなコスト削減につながることが予想できるのです。

また、固定費であるオフィス賃料は、企業の売上の大小にかかわらず毎月一定の金額で発生します。そのため、オフィス賃料を削減すれば、企業の利益を継続して確保しやすくなるのです。現在は新型コロナウイルスの影響で、急激な減益に見舞われ、売上の回復の見通しが立たない状況下です。そのなかで、大きなコストであり、毎月必ず発生するオフィス賃料に着目することは、経営安定化のためにも有効といえます。

オフィス賃料の見直し方法によっては、賃料だけでなく光熱費や通信費などオフィスに関連するそのほかのコストも削減できる可能性があります。オフィスに関連する賃料以外のコストについては、「オフィスのコスト削減のアイデアを紹介!成功させて利益を最大化しよう」で詳しく紹介していますので、ご参照ください。

オフィスの賃料削減の前にまずチェックすべきこと

オフィスの賃料を削減するには、まずは現状の把握をしなければいけません。以下の点を確認しましょう。

賃料や敷金に関する項目

  • 賃料

    賃料が妥当かどうかを再確認します。近隣の物件の相場とも比較してみましょう。

    オフィス賃料の売上に占める健全な割合は10%程度までといわれています。現在のオフィスを選んだ当初は適切な割合だったとしても、売上が落ちていて、知らぬ間に負担が大きくなってしまっているケースも見られます。現時点で、オフィス賃料の割合が売上に対して大きくなりすぎていないかを確認することが大切です。

  • 賃料以外のコスト

    光熱費や文房具代、清掃代など、オフィスに関連する賃料以外のコストを把握します。

  • 更新料

    契約更新する場合に更新料が必要なことがあります。どのタイミングでいくらかかるのかを把握します。

移転する場合に関係する項目

  • 契約期間

    一般的には2年ですが、異なる契約期間の物件もあります。

  • 敷金(保証金)

    入居時に支払った敷金(保証金)の金額と、返金規約を確認しておきましょう。なお、賃貸オフィスでは礼金制度はまれですが、支払った礼金は返金されません。

  • 解約告知期間

    中途解約の場合は、いつまでにオーナーに告知をしなければいけないのかを確認しましょう。物件により異なりますが、解約日の3~6ヶ月前までが一般的です。

  • 中途解約違約金

    契約期間満了時以外に解約が行われた場合に、違約金が発生することがあります。必ず確認しておきましょう。

  • 原状回復の内容

    原状回復にはクロスや床板の張り替え、照明器具の取り替え、電気、電話回線の回復や撤去などがありますが、どこまで行うかは契約やオーナーの意向によります。線引きが難しいためトラブルになりやすく、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

オフィス面積が適切かどうか

オフィス面積や使い勝手についても確認します。契約当初は最適な広さだったとしても、人員やオフィス機器の増減によって面積が現状に合わなくなっていることがあります。

また、

  • レイアウトの見直しによるデッドスペースの削減
  • フリーアドレス制の導入による省スペース化の実現
  • 一部テレワークへの移行

など、必要なオフィス面積を削減するための工夫ができないかの検討もあわせて行います。

ただし、無理な削減は業務効率の悪化や社員のモチベーション低下につながるおそれがあります。オフィス賃料の削減は、あくまで経営健全化が目的です。社員の意向に沿わない改革とならないよう、バランスをとりながら最適化していくことが大切です。

現状と照らし合わせて、オフィススペースの縮小が妥当と判断したら、契約面積を縮小する方法も考えられますが、どの物件でも可能な方法ではありません。そのため、賃料を削減する方法として、オフィスの移転を考えることになるでしょう。

賃料削減のためにオフィス移転を検討する際には、どのようなメリットとリスクがあるかを確認しなければなりません。

オフィス賃料を削減する方法‐オフィス移転

いまより安い賃料のオフィスへ移転することで得られるメリットは、賃料削減以外にもあります。

職場環境が一新することで社内コミュニケーションが活発になり、移転先の立地によっては企業のイメージアップにつながる可能性があります。また、オフィスレイアウトを十分検討することで、業務の効率化をはかれるでしょう。

一方で、オフィスの移転にともない、原状回復や引っ越し費用、場合によっては中途解約金などの費用が発生します。また、賃料削減を優先して移転先を選んだ結果、「通勤が不便」「狭すぎて作業しにくい」といった問題が生じ、業務効率や社員のモチベーション低下につながるリスクもあります。

オフィス移転については、メリットだけでなくリスクも把握したうえで検討することが大切です。

オフィス移転にかかる費用については、「オフィス移転にかかる費用は?項目の内訳とコストを抑えるコツを紹介」をご参照ください。

オフィス賃料を削減する方法‐シェアオフィスの活用

前述したオフィス移転にかかるリスクを低減する対策のひとつに、シェアオフィスを活用する方法があります。

シェアオフィスとは、一般的には個人や企業など複数の契約者が共用するワークスペースのことを指します。従来の専用オフィスの賃料にあたる項目は「月額利用料」「月会費」などになりますが、施設を上手に選べば、一般的な賃料相場より安く、好立地のオフィスを確保することが可能です。

入居時に入会金や事務手数料などは発生しますが、従来型オフィスの敷金(保証金)より、概して低い水準です。また、仕事に必要な設備が整っており内装工事も不要なため、初期費用を抑えられます。加えて、月額利用料や月会費に光熱費や清掃代、文房具代などが含まれている施設もあり、それらのコスト削減にもつながります。

退去時には従来型オフィスのような原状回復費は発生しないため、短期での活用や再度オフィス移転の可能性がある場合の活用にも、踏みきりやすいでしょう。

また、例えば次のように状況に応じて柔軟な活用ができる点も、シェアオフィスのメリットです。

  • 従来型オフィスを賃料の安い場所へ移転させ、利便性(立地)とオフィス面積の不足分をシェアオフィスで補う
  • 外まわりの営業社員はシェアオフィスを使い、経理や在庫管理など特定の業務のみ従来型オフィスを使用することで、従来型オフィスの面積を縮小する
  • おもな業務はテレワークで行い、出社が必要な業務はシェアオフィスを使用するかたちで、従来型オフィスを廃止する

シェアオフィスはセキュリティ面で不安があると敬遠される場合がありますが、施設によっては個室タイプもあります。

以上のように、シェアオフィスには、従来型オフィスの不足分を補助的に担う方法と、オフィス機能をシェアオフィスに集約する方法の大きくふたつの活用法があります。後者の場合は、法人登記や来客対応が可能です。予算が許せば、セキュリティ面の強化が期待できる個室タイプのシェアオフィスを選ぶといいでしょう。

シェアオフィスについては、「シェアオフィスとは?レンタルオフィスとの違いやメリット、利用手順などを解説」をご覧ください。

オフィス賃料削減にはシェアオフィスの活用が有効

オフィス賃料の削減というと、オフィス移転をイメージすることが多いでしょう。しかし、オフィス移転には移転費用も発生するため、そこも含めてしっかり検討しましょう。賃料の削減手段のひとつであるシェアオフィスの活用は、賃料削減だけではなく、オフィスに関連する賃料以外のコストの削減、オフィスの移転費用の削減にもつながります。選択肢のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。

シェアオフィスの活用については、以下のebookでも解説しています。コスト面やサービス面から賃貸オフィスと比較した事例も掲載していますので、ぜひご参照ください。